人は自分の思い描く幸せのために働いたりして生きています。
ただ、自分自身を知り幸せを掴むためには、漠然と生きててもなかなか結果はついて来ないし、ただ、闇雲に一生懸命なだけでも結果が出ないことが多いと思います。
そこで自分自身と向き合うことから始めるわけですが、今回は、武経七書の一つ、孫子の兵法書から、分析に使える5つの着眼点についてお話しします。
5つの着眼点とは?
自分自身と向き合うときに、なんとなくの思いつきや、その時感じた場当たり的な感情で判断することが多いと思います。
改めて自分自身と向き合おうと思っても、まるで暗闇の中を手探りで進むように、何も手応えもないところから始めることになったりしますし、その状態に気がつくことさえない人もいます。
判断する目安が必要と思いますが、
孫子の兵法書の中には、まず、現状と向き合う着眼点として「道・天・地・将・法」の5つの項目が挙げられています。
5つの項目の意味と、自分に置き換えたらと書き出してみました。
- 道・・・道理にあたるもの 「自分の思いと社会的な倫理観」
- 天・・・天候などの時間的条件 「変動性のある運を気にした時間管理」
- 地・・・地理的条件 「立地、住んでる場所、オンラインでの場所、それに伴う条件」
- 将・・・関わる将軍 「自分の能力」
- 法・・・法律やルールで制御する部分 「マイルール」
自分を知る着眼点として探究してみました。
道 「自分の思いと社会的価値観」
昨今では、個性が重要視されている反面、共存していく社会生活の中では他人の不快になることも多々起きてしまい、トラブルや事件になったりしています。
自分の「道」は、「自分自身が心が満たされる状態」=「幸せになること」と「幸せを探究すること」になります。
そこで幸せを探究することを社会ではどう定義しているか?を調べました。
幸福追求権 こうふくついきゅうけん 日本国憲法 13条に保障する「生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利」を一体的にとらえて観念された場合の権利。アメリカの独立宣言中の,「〈天賦不可侵の権利〉のなかに生命,自由および幸福の追求が含まれることは自明である」の文言に由来する。 13条が保障する幸福追求権については,かつては,具体的な権利ではなく一般的な原理の宣言にすぎないといった説が支配的であった。しかし近時,それ自体が実定法的効力をもつ包括的基本権で,他の個別的基本権規定によってはカバーされないがなお人格的生存に不可欠な権利が補充的に幸福追求権として憲法上保護されるとみる説が有力になっている。そのような幸福追求権の具体的内容として最もよく指摘されるのは,名誉権とプライバシーの権利である。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について
日本にも幸福を追求することは権利としてあるので、幸せを求めることは良い反面、誰かの不幸につながることは好ましくないことが分かりますが、何を持って幸福か不幸かは人それぞれなので、「自分の心を幸せで満たすこと」は慎重に行う必要があることに気が付き、日常の分析の指針にできると思います。
天 「変動性のある運を気にした時間管理」
日本で暮らしていると、世界との比較になりますが、割と平和な生活を送れると思います。
そんな生活をしているせいか、チャンスが来ても気が付かなかったり、チャンスがあることさえ気が付かなかったり、生活できてるのに不幸に感じることもあります。
「天」と向き合うとは、チャンスがあってもわからない状態よりも、変動性のある「運」に対する心構えができているか?とか、時間調整ができるのか?という部分を曖昧にせず、把握するきっかけになると思いました。
自分と向き合う場合の具体例は、年単位で見ると、季節や天候で心身ともに調子の変化が起こるのに、無理して一定に無理する頑張りで乗り切ろうとしていると、どこかで自分自身が破綻します。
人と会う時や、何かをするときに時間にゆとりを持って、変化にも対応できる状況や状態で日常や仕事ができているかを客観的に判断する指針になると思いました。
地 「立地、住んでる場所、オンラインでの場所、それに伴う条件」
人は、場所や環境で大きく変わると思います。
昔の人たちは、地理的な条件の影響が強かったと思いますが、今の時代はインターネットが発達したので、リアルな場所や環境とSNSやブログなどのオンラインでの場所や環境も自分の幸せに対して大きな影響を与える要素になると思います。
自分の幸せに良い影響を与える場所や環境に長い時間いることって大切と思うので、
オンラインでも、自分の幸せと向き合って、何を満たしたいのか?距離感は?更新頻度は?などを客観的に判断する指針になると思います。
将 「自分の能力」
自分自身と向き合う上で、自分の能力を知ることは大切と思います。
自分の能力は一つ一つが将軍のように思います。
沢山の有能な将軍がいて、同じ思いで戦うと負けない可能性が上がります。
同様に、自分自身の能力を大きくても小さくても把握すること。
さらに、自分の中の能力をどれも大きく育てること。
そして、自分の能力をさらに増やしていくこと。
これらを意識して着眼すると、適切な計画を立てる材料になると思います。
法 「マイルール」
最後に「法」ですが、生きているだけでもマイルールって沢山存在していると思います。
マイルールは、自然にできたものもあれば意識して決めたこともある。例えば目覚ましを鳴らす時間は自分で決めたルールですね。
そのルールが、果たして自分の幸せに適切なのか?と向き合うことは大切なことと思います。
適切かどうかの基準は、「信賞必罰」で判断することが求められますが、
厳し過ぎても生きづらくなるので、適切な判断をすることが必要と思いました。
自分の今がわかったら
今日は、武経七書の一つ、孫子の兵法書から、分析に使える5つの着眼点についてお話ししました。
理解や解釈は人によって様々と思いますが、自分の場合は今回の解釈になります。
誰かの参考になるといいかなと思う反面、原典に触れてご自身で探究することって大切と思います。
参考にしている本は、プレジデント社が発行している、守屋洋先生と守屋淳先生著の[新装版]全訳「武経七書」になります。
日本語訳や事例まで解説されており、普段なかなか読む機会がない孫子の兵法以外の兵法書も読め、自分自身もビジネスも人生も大きな助けになっています。